米IBMは2014年8月7日、ニューロン(脳神経細胞)の働きを模したプロセッサ「ニューロシナプティック・コンピュータ・チップ」を開発したと発表した。米コーネル大学との共同研究で、8日付の米科学誌サイエンスで発表する。 CMOSチップの中でも最大級といえる54億個のトランジスタを備え、これらが100万個のニューロン、2億5600万個のシナプス(ニューロン間結合)の働きをシミュレートする(写真1)。チップは韓国サムスン電子の28nmプロセスで製造した。 生物と同じ時間軸でニューロンやシナプスを動作させた場合、消費電力は70mWほど。ニューロシナプティック・チップの場合、必要な箇所だけニューロンを「発火」させればいいため、通常のマイクロプロセッサより消費電力を抑えられるという。 IBMは、同種のアーキテクチャに基づくニューロチップを2011年に試作している。このとき開発したチップは1コア構成で、
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