“学び、考えるコンピューター”の先陣を切る米IBMの「ワトソン」。ワトソンが登場したのは2011年。早押しクイズ対決で全米屈指のチャンピオンを破った際は、プロセッサー構成などハードウエア性能に焦点が当たった。最近では、ビッグデータ(大量データ)ブームと相まって、人工知能(AI)の先駆けのように取り上げられることも多い。だが、いずれも正しくない。IBMの研究者は「我々はワトソンをAIとは呼んでいない」と明言する。ワトソンの神髄はソフトウエアであり、日々進化を遂げている。 ワトソンとは大まかにいえば「話し言葉を理解し、学習し、予測するシステム」と定義できる。IBMはこうした世界を「コグニティブ(認識的な)コンピューティング」と呼び、“人間の知能そのものを持つ機械”の実現を目指すAI研究とは一線を画している。 海外では「既存のAIにこだわらなかったからこそ、ワトソンを実用化できた」との評価が高い
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