要旨 理化学研究所(理研)統合生命医科学研究センター疾患システムモデリング研究グループの北野宏明グループディレクター、川上英良特別研究員らの共同研究グループは、遺伝子発現データから遺伝子制御に重要な転写因子[1]を網羅的に予測する手法を開発しました。 遺伝子発現の制御は、主にDNAの配列特異的に結合する転写因子によって行われています。そのため、制御に重要な転写因子を同定することは、疾患や正常細胞機能の解明に重要です。しかし、1,000種類以上存在するといわれる転写因子の制御活性を網羅的に計測するのはいまだに困難です。 共同研究グループは、転写因子が遺伝子のどの領域に結合しているかを網羅的に測定した、クロマチン免疫沈降オンチップ(ChIP on chip)[2]やクロマチン免疫沈降-次世代シーケンシング(ChIP-seq)[3]のデータを、世界中から3,500実験以上集めて再解析を行うことで