明日の天気予報は雨。 気持ちが沈む。 靴も濡れるし、髪ははねるし、いいことがない。 明日の天気予報は雨。 それなのに、今は少しだけ明日の雨が待ち遠しい。 昨日の晩御飯は? 少し考えて、 あぁ、、、ハンバーグか。 たった十数時間前の出来事でこうだ。 ましてや一週間前の今日に何をしていたかなんて覚えているはずがない。 それなのに、10年前のことは鮮明に覚えている。 雨が降ると必ず思い出す。 俺の初恋の相手って誰だったんだろう。 テレビで見た芸能人だったのか、近所に住む少し大人のお姉さんだったのか曖昧だ。 でも、高校生になって初めて好きになった人は覚えている。 クラスは違ったけど委員会が一緒だった。 彼女は誰とでも笑顔で話し、まさに「社交的」という言葉が似合う人だった。 俺は決して女性と話すのが苦手なタイプではなかったけど、あんな笑顔でまっすぐに目を見つめられたら誰だって再起不能だ。 少なくとも