雑誌「谷根千」の編集スタッフ。森まゆみさん(右から2人目)ら3人に加え、森さんの長女、川原理子さん(左端)も参加していた(写真:産経新聞) 四半世紀にわたり、東京の下町情緒漂うエリアを取り上げた季刊誌「谷中 根津 千駄木」=通称・谷根千(やねせん)=が、7月末発行の93号で終刊する。終始「住民の目線」で、情報を発信し、全国各地で発行される地域情報誌の草分けともされる。3人の主婦が始めた小さな雑誌は、大きな足跡を残し、その歴史に幕を下ろす。(村山玲子) ◇ 「谷根千」は昭和59年、当時20代の主婦が創刊した。子供が同じ保育園に通っていた森まゆみさん(54)と山崎範子さん(51)、それに森さんの実妹、仰木ひろみさん(53)の3人だ。 当時は、バブル景気を前に、都心部の地価上昇が始まっていて、谷根千エリアも開発の手が伸びつつあった。そんな状況を目の当たりにした3人は、「自分の町がどう成り立