ペンは人を傷つけるという覚悟があるか? 元・読売の清武さんが語る記者論と組織論読売新聞時代の元上司でノンフィクション作家、清武英利さんへのインタビュー【後編】では、言葉が持つ力について聞いた。 思えば、読売新聞時代の恩師で今はノンフィクション作家の清武英利さん(67)はどんな時も、取材して原稿を書いていた。 指導を受けた名古屋市の中部本社(現・東京本社中部支社)の社会部長時代も、読売巨人軍代表の時も連載を持ち、何冊も本を出版している。普通、社会部長や球団代表になれば、自分で記事を書くことはなくなるだろう。 十年ほど前、巨人軍の代表室を訪ねた時、「今、こんな取材をしているんだ」と言って、次に書く記事のために、清武さんが訪ねた地を撮った写真を見せてくれたことがある。 「目に見えるように描写するために、ディテイルを記録しておくんだよ」と言うのを聞き、「ああ、この人はどこに行っても記者なんだ」と思