次回より松本清張賞の選考委員を務めることになったお二人に、作家を目指す人たちへのアドバイス、そして今、求められる小説について 語り合ってもらった。 ――お二人には、松本清張賞の選考委員を、第十九回よりお引き受けいただくことになりました。あらゆるエンターテインメント・ジャンルから幅広く新人を発掘できれば、と考えています。本日は「小説家を目指す若い人たちへ」といったテーマでお話をうかがいたいと思っておりますが、まずは、改めてお二人のデビューのときのことをお話しいただけますでしょうか。 石田 僕のときには既に「公募ガイド」という便利なものがありましたから、順番にマルをつけていったんです。直近が角川の日本ホラー小説大賞で、次が新潮社の日本ファンタジーノベル大賞、それから朝日新人文学賞。その後が小説現代とオール讀物がほぼ一緒の時期で、オール讀物のほうがちょっと遅かったのかな。そうして順番に応募し