「準備は整いました。あとは結果を残すだけです。今年は目標とか数字とかはありません。ただ試合に出たい。そのためなら、なんでもやるつもりです」 2020年、平塚球場での自主トレ最終日。倉本寿彦はそんな言葉を残して沖縄キャンプへと飛び立った。いつも通りの、淡々としながらも強い思いを秘めた倉本の物言いは、戦う姿勢に入っていることの証(あかし)だった。 倉本の今季は平塚球場での自主トレから始まった * * * 「もう後はないと思っています」 倉本からそんな言葉を聞いたのは初めてだった。1年前のちょうど今頃のことだ。 フルイニング出場から一転、大和の加入でセカンドへコンバートされ、大幅に出場機会を減らした2018年のシーズンを考えれば、息が詰まりそうになる言葉の重みを感じた。だが言葉を発した当の本人から、悲壮感や決死の覚悟といったものは感じられない。いつも通りの、淡々とした倉本のまま。ただ、言葉だけが
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