「スマホっぽいな。こんなにコンパクトに部品を配置できたのは、高いレベルの実装技術があるからだ」 日経クロステックは、ソニーが2020年7月に発売した“着るクーラー”「REON POCKET」の構造や熱設計技術を探るべく分解・解析を実施した。冒頭のコメントは、解析を依頼した熱設計の専門家であるサーマルデザインラボ代表取締役の国峯尚樹氏の言葉だ。 REON POCKETは、直流電流を流すと片面が吸熱(冷却)し、もう片面が放熱(加熱)する「ペルチェ素子」を利用した暑熱対策デバイスである。最大の特徴は小型軽量性だ。寸法は幅54mm×奥行き116mm×高さ20mmと、小型のスマートフォン(スマホ)とほぼ変わらない。重さは89gと、ペルチェ素子を内蔵して首元を冷やすサンコーの「ネッククーラーNeo」の150gと比較してもかなり軽い。ソニーは小型軽量性を実現するにあたって、「モバイル機器の開発で積み重ね