JR宝塚線(福知山線)脱線事故の調査をめぐり、JR西日本がJR系の研究機関OBに対し、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)が07年2月に開いた意見聴取会で専門的知見から意見を述べる「公述人」になるよう働きかけていたことがJR西への取材でわかった。同社はこのOBに、事故現場カーブで列車が急激に減速しなければならないことがわかるグラフを聴取会で取り上げないよう強く求めたという。 JR西側が働きかけたのは、永瀬和彦・金沢工業大教授。JR系列の研究開発機関「鉄道総合技術研究所」のOBで、当時は、JR西の安全諮問委員会委員長を務めていた。 永瀬氏やJR西によると、06年12月、意見聴取会に向けた事故調の事実調査報告書の原案が公表される直前、同社の幹部社員が永瀬氏に公述人になるよう求めたという。 すでに公述人に申し込むことを決めていた永瀬氏は、聴取会で「余裕のないダイヤ」と指