岡田麿里最新作『アリスとテレスのまぼろし工場』は、『君の名は。』以降量産される“田舎の若い男女の淡い恋模様を描いたアニメ映画”の一歩先へ向かう 9月15日公開の岡田麿里最新作『アリスとテレスのまぼろし工場』は、そのビジュアルからは想像しがたいほどにエネルギッシュで挑戦的だった。 『君の名は。』の大ブレイク以降プログラムピクチャー的に毎年量産される「そういう感じ」の長編アニメ映画。誰もが二匹目のドジョウをつかみとらんとするガラパゴスな界隈に、『あの花』や『さよならの朝に約束の花をかざろう』などで知られるアニメ界の重鎮・岡田麿里が一石を投じる。脚本家として名を馳せた同氏の、『さよならの〜』に次ぐ監督第2作となる。 正直に言えば、予告編公開時点では『アリスとテレスのまぼろし工場』にもさほど食指は動かなかった。いわゆる「『君の名は。』っぽい感じ」のよくあるアニメ映画にしか見えなかったからだ。 しか