ぷらっと沿線紀行(4) 牛若丸になりたかった。剣道に熱中する小学生の「豆剣士」だった30年前のことだ。木立の中の急斜面を小さなケーブルカーが進む。「お寺の鉄道」らしく乗務員も作務衣(さむえ)姿だケーブルカーの車内には「人間も大自然の一員」というアナウンスが流れる仁王門から山上へ続く道。牛若丸の時代から自然が守り続けられてきた=いずれも京都市左京区で境内の水道やちょうず場には「お水さんありがとう」と書かれた札がかけられていた鞍馬山の入り口に立つ仁王門。ここから本殿金堂までは徒歩で約30分の道のりだ 1957年の運行開始から18年間活躍した「牛若号1」。「牛若号2」を経て、96年から現在の3代目となった=撮影年不明、鞍馬寺提供 自宅にあった昔話の本。京都・五条大橋の上で、牛若丸が大男の武蔵坊弁慶と相対する場面。弁慶のなぎなたをひらりとかわし、欄干に飛び乗って太刀を振るう――。牛若丸のよう