集団的自衛権の是非は、間違いなく今回の衆院選の重要争点の一つであろう。それは、日本が攻撃を受けなくとも、米国の都合で自衛隊員が実際に海外で殺し、殺される、ということである。その重みを安倍政権は、そして有権者は実感しているのだろうか。先月、元イラク帰還米兵のロス・カプーティさんがイラク戦争の検証を求めるネットワークの招聘で来日、各地でその経験を語った。イラク戦争での従軍経験から10年経つ今も苦悩し続けるカプーティさんは、「米国の戦争に日本は加担するべきではない」と警告する。 ○イラクで感じた疑問カプーティさんは1984年生まれ。米国北東部の保守的な街で生まれ育った。高校卒業後、変わり映えのしない退屈な暮らしに飽々し、刺激と変化を求めたカプーティさんは自ら米軍に入隊した。「当時の僕は、軍隊に入り戦闘に加われば、ハリウッド映画の主人公みたいなヒーローになって、女の子にモテると思っていたんだ。イラ