認知症の原因疾患のひとつにアルツハイマー病があげられるが、治療法は未だ確立されていないのが実情だ。ただし、認知症を発症する前の「MCI(軽度認知障害)」の段階であれば、正常へ回復することも可能だという。 愛知県にある国立長寿医療研究センター・生活機能賦活研究部部長の島田裕之さんはこう語る。 「MCIは、認知症ではないけれど正常であるとも言い難い、軽度の認知機能の低下が観察される状態です。注目されるのは、MCIになると認知症に移行する危険性が高い反面、正常の認知機能に回復する場合がある点でしょう。 そこで私たちは、認知症の発症予防につながる有効な運動はないだろうかと研究を進め、『コグニサイズ』という脳活性化運動を開発、検証するに至りました」(島田さん、以下「」同) 「コグニサイズ」とは、認知を表す「コグニション(cognition)」と、運動を表す「エクササイズ(exercise)」をかけ合