健康診断の血液検査項目の赤血球数やHDL(善玉)コレステロール値、アルブミン値が低いと、認知機能の低下が2~3倍起きやすいとの研究結果を、東京都健康長寿医療センター研究所のグループがまとめた。 栄養が低い状態が将来の認知症のリスクを高めることを示す結果で、老年医学専門誌に近く発表する。 同研究所の谷口優研究員らは、群馬県と新潟県に住む70歳以上の1149人の暮らしぶりや健康状態を調べて、認知症が疑われた人などを除いた873人を追跡調査(平均2・7年)した。 調査開始時の赤血球数、善玉コレステロール値、アルブミン値を、それぞれ「低い」「普通」「高い」の3群に分け、その後の認知機能の変化との関係を調べた。 その結果、それぞれの値が低い群は高い群に比べて2~3倍、認知機能が低下しやすかった。
認知症の利用者らが増える高齢者施設で、看(み)取りケアに取り組む施設が増えている。どんな医療行為を希望しているかの意思確認を以前から進めている、愛知県西尾市の特別養護老人ホームを訪ねた。(内田健司、写真も) 「医療の事前指定書」 三河南部の茶所、名鉄西尾駅から車で約10分、特養「せんねん村」(定員80人)は、近隣の1市3町から無償貸与された約1万4000平方メートルの広大な敷地の一角にある。 運営方針に掲げるのが、「住み慣れた部屋で最期までその人らしく」。2001年の開設以来、看取りケアに力を入れており、入所者に「医療の事前指定書」の提出を求めてきた。 指定書は、中沢明子施設長らが、カナダの医師が開発した様式を参考に作成。施設での看取りを望むのかや、終末期を迎えた場合に、人工呼吸器や、栄養を直接送る胃ろうなどの医療処置をするのかどうかを確認する。今年3月からは、終末期だけでなく、容体が急変
階下の診療所から訪問診療する加藤院長。施設の売りは、最善の医療とやすらぎの療養生活だ(神奈川県平塚市で) 自宅では介護の人手が十分ではなかったり、医療面で不安があるといった理由で、長期入院する高齢者が多い。自宅でもなく、病院でもない、医療・介護の手厚い住まいも登場している。(阿部文彦、写真も) 「生活の場」に近く 箱根・丹沢山系を望む神奈川県平塚市の新興住宅街に今年2月、「湘南真田メディケアセンター」がオープンした。1階には、内科、脳神経内科などを掲げるクリニックと訪問看護ステーション、ケアステーション、2階と3階には高齢者専用の療養型住宅32戸が入る複合型施設だ。 住宅部分のうち、2階は、胃ろうなど、医療依存度の高い患者用で、広さは約19~28平方メートル。3階は、主に介護を必要とする要介護1~3までの高齢者用で、広さは約25~33平方メートル。3階は2階に比べて広く、ユニットバス、洗濯
人格尊重 認知症ケア…「パーソンセンタードケア」始まる 急がせない・無視しない・「もの扱い」しない 認知症(痴呆(ちほう))ケアの世界に、新しい風が吹き始めた。パーソンセンタードケア(その人を中心にした介護)と呼ばれる考え方だ。イギリスで生まれ、欧米各国に広まった。日本でも導入が始まっている。(斎藤雄介) 群馬県沼田市の老人保健施設「大誠苑(たいせいえん)」では2004年春、入居者が一斉に食事していた大食堂を2か所に分けた。少人数に分けることで職員の目が行き届き、ゆったりした雰囲気になった。 パーソンセンタードケアの考えに基づく「認知症介護マッピング(その人の状態の地図を作るという意味)」という評価を受けた際、食事時のケアに問題が指摘されたためだ。 入居者の口に食べ物が残っているのに、職員が空いた食器を下げたことが、「急がせた」と指摘された。また、職員が食器のふたを取って、食器カゴに投げ
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