2006年の新年は、「明けまして+開けましておめでとう」であった。 投票箱の蓋が開いたからである。8週間の長い連邦政府選挙戦の後、ようやく出た結果は世論調査の予想通りで、13年ぶりに、小数派政権ながら進歩保守党が返り咲いた。久々のカナダ西部からの首相となったハーパー氏の舵取りが注目される。そこで今回は、選挙キャンペーン中、言葉の上で気付いたことを話題に取り上げてみたい。 それが表題の「英語の悲鳴・仏語の悲鳴」である。「英語の悲鳴」という表現を使ったのは朝日新聞の特派員だった本多勝一だ。ジャーナリストとして日本語の表現に大きな関心を寄せて来た本多には日本語に関する優れた著作が数点あるが、中でも「日本語の作文技術」(1982年、朝日文庫)が秀逸だ。巻末の解説で「ちゃんとした日本語を書こうと思ったら、まず、勉強に本多勝一氏の「日本語の作文技術」を読め。これが私の持論である」と多田道太郎が書いてい