人間のような音声生成器官を持ち、人間のように自律的に発声する――香川大学工学部の澤田秀之研究室で開発されている発話ロボットが「第2回ROBOTECH - 次世代ロボット製造技術展(東京ビッグサイト)」で注目を集めていた。 ヒューマノイド・ロボットは見た目も動きも人間らしくなってきているが、声はスピーカーから出ているだけ。澤田教授はここに疑問を持った。人間のようなロボットを目指すなら、人間と同じように喉を振動させてしゃべることが必要ではないかと考えた。そして完成したのが、人間と同様の音声生成器官を持つ発話ロボットだ。 発話ロボットは、中が空洞になったシリコンゴム製の細長い筒でできている。先端は人間の口の形をしており、舌も付いている。その上には、鼻音を再現するために、鼻を模したパーツが載っている。 ゴムの筒の後ろには人工声帯があり、ここで音の高さを調節する。人工声帯に空気を送ると「ブー」という