当時力士だった男性(右端)の親族の事業をめぐる話し合いに、暴力団関係者(左端)が同席していた=東日本の飲食店(画像の一部を修整しています) 「あいつの行きつけのスナックがわかった」 「この男はカネに困っているとの風評がある」 大相撲の力士相手の野球賭博を資金源の一つとする西日本の暴力団事務所で、幹部らが情報交換していた。力士の髪を結う床山ら、相撲部屋に出入りする人の身辺を調べ、誰を力士との仲介役にするか話し合う「作戦会議」だ。 「番付上位の力士は1日に数百万円を張る。自営業の客などと違い、賭け方が豪快だ。相撲取り相手はもうかる」とこの組織の関係者は明かす。だが、いきなり力士を誘うことはしない。まずは力士との間を取り持ち、賭けの注文取りや集金をしてくれる仲介役を作る。暴力団の間では「中継」と呼ぶ。 「中継」の候補者のなじみのスナックがわかると、組員が出向き、偶然を装って近づく。時に