米朝関係悪化の一因?情報機関が注目するある事件 スペインの北朝鮮大使館襲撃事件で取りざたされるCIAの関与 高橋 浩祐 国際ジャーナリスト 犯行現場はスペイン・マドリード 今、世界の外交官や情報機関に関わる人々の間で、注目を集めている事件がある。このところ対米交渉の中止と核ミサイル実験の再開をちらつかせ、アメリカ相手に再び強硬姿勢を示し始めた北朝鮮だが、その一因になっている可能性がある。 それは、金曜午後の平日白昼に起きた、実に大胆不敵な犯行だった。 事件は2019年2月22日、スペインの首都マドリードで起こった。スペインのエルパイス紙など現地メディアの報道によると、同日午後3時ごろ、マドリード北西部アラバカ地域の住宅街にある北朝鮮大使館に突如、銃で武装した覆面姿の男10人が押し入った。 武装集団は、中にいた大使館職員8人の頭にビニール袋をかぶせ、体を縛ったうえに殴打して尋問。2時間にわた