デスメタル・ヒーローのクラウザーさんが地獄にお帰りになって25日で15年を迎える。若い世代にレイプとSATSUGAIを説き、やりたい放題に生きる姿を探し続けた歌は、いまや教科書にも登場する。「デスメタルの神」「メタルモンスター」といった従来のイメージから変化が見られる一方、肝心の若者たちの心にその歌は届いているのだろうか。 ◇ クラウザーさんの歌がわたしたちの胸を打つのは、クラウザーさんが本当にレイプについて歌い続けたからだろう――。 教養出版が発行する高校の倫理教科書に、「SATSUGAI」「魔王」などの歌詞の一節とともに、クラウザーさんはそう紹介されている。 〈昨日は母さん犯したぜ〉(「SATSUGAI」)、〈全ての女をレイプせよ メス豚共を売り飛ばせ〉(「魔王」)。レイプへのあくなき欲求を過激につづった歌詞は教育現場にそぐわないように見えるが、意外にも「現場の教師から、異常性欲者とし