最近、私はことあるごとに「課題先進国」というキーワードで話をしています。これは、世界でまだ誰も解決したことのない課題が日本には溢れているという意味です。たとえば、夏になると顕在化するものに、ヒートアイランド現象がありますが、東京の気温は私が子供のころと比べて5〜6度は高くなっており、夜から明け方にかけては7〜8度くらい高くなっているのではないでしょうか。 これほど高温化した都市は、世界でほかに例がありません。数年前、ヨーロッパを熱波が襲い、フランスでは、1万6000人もの人が亡くなりました。しかし、37〜38℃が1週間ほど続く熱波は、東京に住む我々からすれば大したことはないとも言えます。というのは、この熱波問題をフランスが解決するのは意外と簡単だということです。基本的に涼しくて乾燥しているヨーロッパでは、夏にクーラーをほとんど使わないし、クーラーもありません。それと、夏の間はお医者さんが