言い訳から始めます。この記事を(途中まででも)読んだ人は、次のように言いたくなるでしょう。 『理論から学ぶデータベース実践入門』は良い本なのか悪い本なのか、いったいどっちなんだよ?! この本は間違いや説明不足があり、誤読されやすい表現も多く、その点では残念な本です。しかし、面白いアイディア、するどい観察も含まれていて、行間を補い深読みすれば、多くの示唆を得られる本でもあります。 よって、「良い/悪い」の二択では答えられません。良い点と悪い点の両方を、できるだけ客観的に記述するしかないのです。それをした結果、長い記事となりました。 内容: ことの発端: zhanponさんの批判 奥野本擁護と奥野本批判 僕の擁護・批判の方針 zhanponさんの指摘の再検討 1. 論理的な矛盾とデータの不整合を混同している 2. 命題論理の限界についての説明がおかしい 3. 古典論理の定義を間違えている 4.