昨年4月16日の熊本地震の本震で、大阪大や京都大のチームが熊本県益城町で観測したと主張していた特に強い揺れのデータに不自然な点があり、チームがデータの公開を中止したことが2日、分かった。関連する論文の撤回も検討している。捏造(ねつぞう)や改ざんの疑いがあり、文部科学省も事実関係を調べている。 チームは前震発生後の15日に設置した臨時の地震計のデータを基に、益城町役場南で計測震度6・9という他の地点と比べて特に大きい揺れを記録したと発表。多くの木造住宅が倒壊する要因となったと報告した。データは昨年7月からインターネット上で公開していた。 チームのメンバーはいずれも共同通信の取材に応じておらず、データを誰がどう取り扱ったのかは不明だが、メンバーの一人、後藤浩之・京都大准教授はホームページに経緯を説明する文章を掲載。「広く問題のあるデータが流布される事態になり、その一端を担ったのは疑いのない事実