権威主義で統治するスィースィー政権の正当性は社会安定と経済成長を実現すること。 多くの国民が安定と成長を実感できないなかで、スィースィー体制支持層からも権威主義支配への反発の声が上がりつつあり、スィースィー政権は正念場を迎えている。 開発主義の復活によって日本企業のエジプト進出には官民連携がますます必要になっている。 エジプトは、2013年7月、軍によってムルスィー大統領が排除されたことで、再び政治移行期に入った。2011年以来2度目の移行期は、憲法制定、大統領選挙、議会選挙を経て2015年12月に完了し、現在のエジプトは2014年6月に発足したスィースィー政権の下で、「安定と成長」の回復を模索している。しかし、2016年に入ってそれまでスィースィー体制を支持していた層からも政権への批判の声が上がるなど、先行きに対する不透明感が高まっている。スィースィー政権の目指す統治と開発を考える。 ス