2017.01.26 経営・マネジメント 谷川浩司・日本将棋連盟会長は、クビをかけて将棋を守った。 川口 雅裕 NPO法人・老いの工学研究所 理事長 /一般社団法人「人と組織の活性化研究会」理事 対局中の将棋ソフトの使用をめぐる問題で、日本将棋連盟の谷川浩司会長が辞任する事態となった。結果として、三浦九段に対する出場停止処分については誤った判断となってしまったが、一連の騒ぎや批判は、将棋や将棋界に関するいくつかの誤解から生じている面がある。 ●「プロ棋士対コンピュータ」は、見世物に過ぎない。 まず、将棋ソフトが棋士の実力を上回ったというのは正確な理解とは言えない。ソフトはそもそもプロ棋士が残した棋譜を大量にコンピュータに記憶させ、そのデータから最適手と思われる手を選んでくるプログラムをたくさんの人が書いて作られたもので、さらに棋士との対戦に当たっては数十台~数百台のマシンをつないで動かし、