医者もなかなか分からない心筋梗塞---年間2万人が訪れるERを率いる医師が教える 医師でも間違える病気・ケガ・薬の新常識(1) 「心筋梗塞=胸が痛い」とは限らない 「心筋梗塞は死ぬ程胸が痛くてつらいんでしょ?」と思っているとそれは間違い。 典型的な心筋梗塞はタバコを吸う中年男性で、手のひらや握りこぶしのサイズで胸の圧迫感がでます。心筋梗塞の痛みは、叩かれたり刺されたりするような鋭い痛みというより、鈍い痛みで圧迫感や喉が詰まった感じ、象が胸にのっかった感じと表現されます。 中には昼食べた鶏肉が胸につっかえていると訴えて冷や汗流して来院した心筋梗塞の患者さんがいらっしゃいました。お昼に食べたものが夜になって逆流してきたというのですから、素人解釈がいかに危ないかがわかります。 ただこんなにわかりやすいものなら医者なら誰も見逃したりはしません。典型的心筋梗塞なんて心筋梗塞全体の1/4くらいしかない