「気分変調性症」は、かつては「神経症性抑うつ」「抑うつ神経症」あるいは「抑うつ性人格」などと呼ばれていました。アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5)では「持続性抑うつ障害」と呼ばれるようになりました。 神経症とは「無意識の葛藤が不安や恐怖を引き起こし、それを防衛する心理メカニズムが各症状を生じさせるもの」とされています。簡単に言うと、無意識の葛藤も防衛メカニズムもどちらも症状に関与しているという、いわばにっちもさっちもいかなくて、膠着した状態です。 気分変調症の考え方の特徴 気分変調症では、対人的認知に関わる思考が「客観的根拠のない直線的思考」であることが指摘されています。たとえば、ある出来事から読唇術的に他人の思惑を勝手に読み取り、「自分はダメだ」というような、客観的視点からかけ離れた破滅的な結論を導き出す傾向にあるといわれています。 「自分はダメだ」という「すりガラス」を通して世界