「友人に電話で『母に死んでもらいたい』と泣きながら話をした」「死んでくれたら楽になると思い、枕を母の顔に押し付けたことがある」――。アンケート用紙には、家族の介護を担う人たちの切実な声が記されていた。NHKは2010年以降に家族の間で起きた殺人や傷害致死、心中などの事件を調べ、「介護が関係していた」事件が138件あったことがわかった。なぜ「介護殺人」は相次ぐのか。背景を探るため、いま介護を担う人たちの声を聞いた。 (取材・文=NHKスペシャル“介護殺人”取材班/編集=Yahoo!ニュース編集部) NHKは、NPO法人「介護者サポートネットワークセンター・アラジン」の協力を得て、首都圏に住む家族を介護した経験のある615人を対象にアンケートを実施。388人から回答を得た。介護の期間や状況などのほか、「介護する相手を手にかけてしまいたい」「一緒に死にたい」という感情を抱いたことがあるか、という