2010年08月15日(日) 差し押さえ 困窮者は悲鳴 県内市町村、滞納税の徴収強化 悪質事例の見極め課題 山梨県内の市町村が税滞納者の財産を差し押さえるケースが急増している。2009年度の差し押さえは計4065件で、08年度の約1・5倍。財政状況が厳しい中、各市町村とも払えるのに納めない悪質な滞納者への対応を強化していることが背景にある。一方で、日々の暮らしに困窮する住民が差し押さえで窮地に追い込まれるケースも。各市町村の徴税担当者は「滞納者の財産や生活状況の把握に努めている」としているが、対応にも限界があるようだ。 ◇ 韮崎市で年老いた母親と一緒に暮らす40代の契約社員男性は昨年春ごろ、市役所から届いた一通の封書を開いて絶句した。入っていたのは「滞納金額を徴収するため、給料を差し押さえます」と書かれたA4判の紙切れだった。 男性は市民税など約16万円を滞納。月収