自分の周囲にいるたくさんの人間の群れを見ているうちに さまざまな世間的な俗事に忙しくたずさわっているうちに 自己自身を忘却していまい、あえて自己自身を信じようとせず 自己自身であろうなどとはだいそれたことで 他の人々と同じようにしているほうが、猿真似をしているほうが 数の一つとなって群集のなかに交じっているほうが はるかに気楽で安全だと思ってしまうのである 世間の人は、自己というようなもので大騒ぎなどしない なぜかといって、自己などというものは 世間ではいちばん問題にされないものであり それをもっていることに気づかされることが、 何よりも危険なことであるようなものだからである 自己自身を失うという最大の危機が、世間ではまるで何でもないことのように、いとも平静におこなわれているのである (セーレン・キルケゴール「死にいたる病」) ( ´~`)ノハーイ 19世紀のデンマークの哲学者 キルケゴー