第5回は「全体最適とアーキテクチャ」と題して、まずバスルームを単なる「体の洗い場」ととらえるか、それとも「心身のリフレッシュの場」と見なすかという問題について考えました。バスルームを後者の機能としてとらえるには、全体は機能部品の単なる集合ではなくそこにコーディネーションが必要です。コーディネーションとは、つまり全体としての価値を高めるための設計であって、同様に考えると「ソフトウェアは機能の集合にあらず」であり、機能集合以上の価値を決めるのがアーキテクチャであるというお話をしました。コーディネーションに当たるのがアーキテクチャであり、ともにシステムとしての全体性の設計ということができます。 ニューヨークの小売店舗を見学してあらためて感じたことは、繁盛している店舗には顧客志向実践のための企業戦略が強く出ています。店内に活気があり、買い物が楽しそうだし、買い物客のみならず店員も生き生きしています