【シンガポール=森浩】インド洋の島嶼(とうしょ)国モルディブで9月30日、大統領選の決選投票が行われ、親中国派で首都マレ市長のムイズ氏(45)が勝利した。親インド派の現職、ソーリフ大統領(61)を下した。海上交通路(シーレーン)の要衝であるモルディブは中国接近が進むとみられ、印中が覇権を争うインド洋の情勢に影響を与えそうだ。 選挙管理委員会が公表した暫定結果によると、得票率はムイズ氏が約54%、ソーリフ氏は約46%。ソーリフ氏はX(旧ツイッター)での投稿で、ムイズ氏の勝利を祝福した。 ムイズ氏は中国接近を進めたヤミーン政権(2013~18年)期に閣僚を務め、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」によるインフラ整備を推進した。選挙戦では、海上警備のためモルディブに駐留中のインド軍を「脅威だ」と指摘し、早期撤収を呼びかけた。 ヤミーン氏はマネーロンダリング(資金洗浄)などの罪で服役中だが、獄中からム