スズキが、中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)から約12キロ北にある相良工場(同県牧之原市)のエンジン生産の半数を、同原発から約60キロ西に離れた同県湖西市に移転させる方向で最終調整に入ったことが6日、わかった。 太平洋岸から約100メートルの距離にある二輪技術センター(同県磐田市)も浜松市に移転する方向だ。原発事故や津波に備える。 関係者によると、スズキの鈴木修会長兼社長が、移転候補先の両市に打診している。 相良工場はスズキの国内生産車のすべてのエンジンを作っており、昨年度は約108万基を生産した。浜岡原発で事故が起きれば、国内の全自動車生産が止まる恐れがあるため、リスク分散を図る。湖西市では、同社の軽自動車工場の敷地内や近隣の工業用地でエンジン生産を行う見通しだ。