これまで冬期の防寒具といえば革のライダースジャケット(若しくはスーツ用のコート(大人として))しか認めないパンクロックナウエブリデイな日々を過ごしてきた。15年ぐらい前の冬の始めに新宿スタジオアルタの4階あたりの洋品店へ万札を数枚握り締めて行って手にした黒光りするSHOTのライダースジャケット一丁でどんな冬も乗り越えてきた。中に毛布みたいなボアを付けたり外したりできるようになっててクソ重たいけどライダースって呼ばれるぐらいだから風なんか全然通さない防寒っぷりに惚れ込み、シュチュエーションもヘッタクレもなくその黒い鎧を初冬から春が訪れるまで毎年着倒してきた。やがて漆黒に輝いていた革は白く擦れポケットには穴が開き袖口の糸はほつれて幾分みずぼらしい様相を呈してきたけれど、流行廃りに敏感な小洒落たオトナたちへの反抗声明としてボロは着てても心は錦的な矜持でもって決してその革ジャケットを着ない冬はなか
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