●青く美しい海、イルカ、海に魅せられた男たちの友情、ウイットの効いたジョーク、映像にマッチした音楽。初めてこの映画を観た1988年の夏、観客も少ない劇場で麻酔にかけられたようにボーっとなって映画に意識を全て奪われてしまった。映画に自分自身をすべて包み込まれ、吸い込まれてしまったかのような感覚。ボーっとしてエンドロールが終わって劇場が明るくなっても席を立つ気になれなかった。それが「グレート・ブルー」だった。 ●深く、重く、感動した。ラストで自分の子を身ごもったジョアンナに、残酷にも、海の底へと自分を引き込むウエイトのロックを外させ、深い夜の海へと沈んでいくジャック。深い海の中で自分が愛してきたイルカに導かれるようにロープを離れて深遠な海に泳ぎ出していくジャック。 ●このラストシーンに疑問を持ち、理解できないと語る人も多い。愛してくれる女性を、自分の子供を身ごもった女性を置き去りにして、どうし