カルロス・ゴーン氏の弁護人として、「ヤメ検」すなわち検察庁を辞めた元検事で元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士が辞任し、新たに刑事弁護を専門とする「無罪請負人」こと弘中惇一郎弁護士が就任した。 【ベターな選択】 大物の「ヤメ検」が弁護人だからといって、現場の特捜検事らが捜査の手を緩めるようなことなどない。 それでも、特に特捜経験が豊富な元検察幹部であれば、特捜部がどの範囲まで捜査をし、どのような証拠をどのタイミングでいかに収集しているか、といった勘所を押さえている。 検察内部の決裁時期や担当者の顔ぶれ、彼らの思考回路、処理・求刑基準なども理解しているので、起訴前の捜査段階における弁護だと、まずまず役立つ存在といえるだろう。 しかし、起訴後の弁護、特に検察と公判でガチンコ対決となるケースだと、例外もあるものの、刑事弁護を専門とするプロパーの弁護士、とりわけ独自調査に丹念に取り組み、検察が設定し