「最初は、小銭が稼げればいい、それくらいの軽い気持ちだった。だから、始めたきっかけも忘れてしまった。ある日、僕は自分の身の回りや会社での出来事をただ綴っているだけのブログに広告を貼った。思ったよりカネになった。そのことをブログやツイッターに書くと、スゴい羨ましいと言われた。嬉しかった。より目立つところに、より大きな広告を貼った。もっと大きなカネになった。会社で働くのがバカバカしくなった。ツイッターやブログで収益を発表すると、より多くの人がスゴいと褒めたたえてくれた。超嬉しかった。金額が多くなれば多くなるほど褒めてくれる人は増えた。スゴいスゴいスゴい。勉強やスポーツでもパッとしなかった青春。学校や会社での、うだつのあがらない人生。成功者たちを指を咥えて眺めているだけの時間。アイキャンフライ!そんな今までの僕に別れを告げるときが来たのだ。雑記ブログといういい加減な言葉を免罪符に、いかに広告を見