霧は濃く、気温は低くなり、現実なのか夢なのかわからなかった。 夢だとしたら、最も悲惨な悪夢だろう。 すべてが突然終わりを告げる。 希望は空中に消え、結局、絶望を受け入れるしかない!希望の光はとても奇跡的で、同時にとても儚いものだった。 瀨紫は頭を下げてまっすぐ前を歩き、その顔は無表情で、霧が透けて見えるような暗いまなざしだった。 前方には未知の世界が広がっていた。どちらかといえば、背の高い木々の影が彼女の視界にまっすぐに迫っていた。あれは幻影なのか、それとも物理的な物体なのか。 国立公園にあんなに立派な木があっただろうか? 白い靄に包まれた世界は、それ以降彼女の目の奥に消えていった。瀨紫の注意がやや散漫になると、霧は大きな裂け目を破り、混沌とした空が目の前に現れた。殺意の光に輝く巨大な刃が宙を突き破り、スピードを上げて突き刺さってきた。 瀨紫は敏感に飛び上がり、かかとを刃の背に当て、横に反