たいとはばかな子供たち。えびとは車とセックス。いま最も若者がほしがっている“車”、いま若者が最もやりたがっている“セックス”。これをえさに若い客を呼ぶ映画。 監督がデビッド・クローネンバーグ。これもえさのひとつ。クローネンバーグといえば「裸のランチ」「スキャナーズ」「デッドゾーン」などですでに若者観客をつかんでいるのだが、何のことはない、「ザ・フライ」(ハエ)、この一九八六年作でアメリカでは一躍人気者となった。人間がハエになる映画というよりも男が裸身でしゃがんだままのポーズでハエになる科学実験スリル。実はその人気、男が裸でしゃがんでいる両足のまたの付け根の辺りがちらとのぞく、男のあそこ見せかけギリギリ映画。 というわけでこの「クラッシュ」(一九九六年作。カナダ映画。カラー。一時間四十一分)もこの題名どおり車の“衝突”、この瞬間にセックス・ムードが沸き起こるというばかな映画。それでいろんなス