2021年12月17日のブックマーク (1件)

  • 百合根さんのお告げ(創作掌編) - かきがら掌編帖

    明治時代に開設された公立の霊園は、広々とした迷路のようだ。 母と私はかれこれ30分も、祖母の墓を探して歩きまわっていた。 ゆったりと枝を伸ばした木々が立ち並び、空高くから鳥の鳴き声が聞こえてくる。天気のいい日には、案内マップ片手に有名人の墓所をお参りする人も少なくない。 4年前に祖母が亡くなってから、幾度となく訪れている場所だった。それなのに、まさかこれほど道順を覚えていないとは、我ながらびっくりだ。 「いつもは、ユイちゃんとおしゃべりしながら、お父さんの後ろについて歩けば、それでよかったからねぇ」 と、母がため息まじりに言う。 しかし、先導役の父はひどい風邪が長引き、今日は留守番である。 霊園内の各所には、区画番号が記された看板が住居表示のように立っているから、墓所番号さえわかればたどり着けるはずだった。 「しかたない、お父さんに電話して聞いてみよう」 私は携帯電話を取り出した。電話に出

    百合根さんのお告げ(創作掌編) - かきがら掌編帖
    Emily-Ryu
    Emily-Ryu 2021/12/17
    あたしもユイちゃんの後にこっそりついて行って、好き過ぎるひとについてのお告げを聞きたいです☆