新春を迎えた大阪市中央区の国立文楽劇場で3日、恒例の鏡開きがあり、人形浄瑠璃文楽の「人形」が来場者にたる酒を振る舞った。 この日は初春公演の初日。劇場前には約300人が列を作った。近くの黒門市場から届いた縁起物の「にらみ鯛(だい)」も飾られ、出演する桐竹紋臣(もんとみ)さん、桐竹紋秀(もんひで)さんらが遣う娘の人形2体が勢いよく一斗樽(いっとだる)を割ると、大きな歓声が上がった。 大阪市による今年度の文楽協会への補助金は、この初春公演で計約3万人を動員しないと満額が交付されない。新年のあいさつに立った太夫の竹本住大夫さん(89)は「文楽はここしばらく重大危機が続いております。今年は勝負の年。一人でも多く一回でも多く劇場に足を運んでいただき、私たちに元気を与えて下さい」と呼びかけた。 公演は26日まで。(向井大輔)