7月13日午前に営まれた朴元淳市長の死去に伴うソウル特別市葬。「時代とともに、市民とともに」と書かれている。混乱を避けるため会場参加者は少数に限定し、市はオンラインで中継した=ユーチューブ画面より 「すべて、さいなら」。元秘書の女性からセクハラで刑事告発された翌日の7月9日に自殺した朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長(享年64)は、信じられないほど軽い口調の遺書を残していた。人権派弁護士から市民運動活動家、政界進出へと、韓国民主化運動の発展とともに権力の階段を上り続けたカリスマ的リーダーとしてのイメージとはかけ離れた人生の終わり方だった。 韓国の市民社会は「不可解な死」をまだ受け止め切れていない。セクハラ防止策を全国に先駆けて導入してきた市長が、部下を性的な癒やし相手のように見て接していたことが第一の驚きだ(具体的内容は後述する)。さらに、元秘書が市幹部に助けを求めていたものの、それが数