インドの多雨林で葉の影から顔を覗かせるキングコブラ。キングコブラの生息域がなぜアジアの広範囲に及ぶのか、科学者たちは長い間、頭を悩ませてきた。(PHOTOGRAPH BY GABBY SALAZAR, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 爬虫両生類学者たちが長年の間、頭を悩ませてきた問題がある。それは、ヒマラヤ山脈のような、とうてい乗り越えられない障壁によって隔てられたアジアの広大な大地に生きるキングコブラ(Ophiophagus hannah)が、どうして単一種なのだろうかというものだ。加えて、体長が5.5メートルにもなるこの世界最長の毒ヘビが、なぜ生息する地域によって姿や行動が異なるのかも不可解だった。 これらの疑問が、ついに解明されるときがきた。新たな研究によると、キングコブラは4つの種に分けられるという。 2021年8月、インドの非営利団体カリンガ財団の生物学者で、