今回紹介する書籍:『数学と文化』赤 攝也(ちくま学芸文庫、2020) 抽象化の重要性 小学生の長男の勉強を見てやっていると、算数の教材に「□×4-3-5=8」のような問題が出てきます。「穴あき算」「虫食い算」と呼ばれる計算です。この種の課題は、大人が見ると四角をx(エックス)に見立てた方程式に見えるので、数を移項して「x=」の式にすることで答えを出そうとします。 この「移項をすると符号が反転する」というのを、小学生くらいの子供に教えるのはとても大変なのですが、子供に理解してもらうには、計算を手順に分解して教えます。「最後に5を引いて8になったのだから、その前は13だったはずだね」というように、左辺の後ろから見て行くように教えると納得します。表面上やっていることは同じはずなのですが、問題の見方と解き方が、大人と子供ではまるで違うのです。 大人が移項の時に符号を容易く反転させさせられるのは、マ

