投資を支える強い需要の存在、格差の大きな医療 中国は今でこそ世界第2位の名目GDPを誇りますが、日本のGDPを超えたのはわずか10年前のこと。20年前には日本の4分の1のGDPしかありませんでした。中国がいかに急速に経済成長を遂げたのかが分かります。 しかし、この経済発展は都市部に集中しており、地方の農村部は十分に発展の恩恵を受けているとは言い難い状況です。中国の都市部における病院の数や質は先進国と同等の水準に達しているのに対し、農村部は医師も病院も足りていません。 さらに、医療保障制度も都市部住民と農村部住民で別々のものが存在しています。都市に住む人間と地方の農村部に住む人で、受けられる医療サービスに名実ともに大きな格差が生じているのです。 また、農村部の医療は郷村医と呼ばれる医療従事者によって支えられています。郷村医は日本で言えば「町医者」や「かかりつけ医」のような役割を果たす医師です