*このコーナーでは、『日本の論点』スタッフライターや各分野のエキスパートが耳寄り情報、マル秘情報をもとに、政治・経済・外交・社会などの分野ごとに近未来を予測します。 原油価格(WTI原油先物価格)が今月7日、1バレル=62ドルと史上初めて60ドル台を突破し、その後も57ドル近辺で高止まりしている。上値を追う動きはようやく小康状態に入ったが、下落の気配は見られない。投機的な側面も多分にあるが、中国やインドの台頭などによる需要増が無視できない。今後も高い経済成長を続ければ、需要はさらに拡大していくだろう。 一方、供給サイドであるOPECは、需要増に応じる形で今年3月に増産を決定。ところが、原油価格はなお上昇の一途をたどった。実はOPECの生産能力は、70年代からほぼ横ばいのまま今日に至っている。この状態で増産するということは、そのまま生産余力の低下、つまり供給リスクの増大を意味する。実際、9