■今夜、妹を抱きしめて 「電波男はオタクを啓蒙した」 「しかし」 「とどのつまり奴の論旨は」 「恋愛資本主義の軍門へ下ることであった」 「本田透もしょせんは犬だ」 「では」 「我々はいったい」 「どこへ行けばいい?」 無機質な円卓を中心に据え、その周りを数人の男が囲っている。体脂肪率の極めて高い男と極めて低い男が集まることによって場は平均化され集団としての彼らはやっと人間になれる。しかし、ここの湿度は異常に高い。上から下まで真っ黒の服に身を包み、Tシャツにビニールテープで「SOUND ONLY」と描かれた男は自らの渾身のジョークが彼らに一笑をすら起こさせなかったことでいささか苛立っていた。 「電波男の二次元回帰とは要するに、資本の乏しいものは乏しい資本で得られる最上の恋愛を手にせよと説いているに過ぎない*1。そんなのは、恋愛資本主義の犬じゃあないのか。あ、すいません、酢豚追加でおねがいしま
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