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ブックマーク / hankinren.hatenadiary.org (2)

  •  接吻地獄 - 花房観音  「歌餓鬼抄」

    キスは駄目だ。 最初の男と、一番初めにホテルへ行ったのは好奇心からだった。それまでは良い友人というか話相手に過ぎなかった。年齢も20歳以上離れていたし、彼には婚約者が居ることも知っていた。でもとても気が合う、一緒に居て楽しい人だった。飲みに行って、なんとなく誘われて、ホテルに行った。私は、処女でキスもしたことがなかった。お互い恋愛感情などなく、好奇心だけだったと思う。 初めてキスをした。 「下手だな」と言われた。 初めてなんだから当然じゃんと思った。 その日は、最後まではしなかった。それは、やはり好きな人のためにとっておけと言われた。朝方帰り道で、「俺は、○○(恋人の名前)と、結婚するから」と、言われた。それを私は、俺は恋人がいるから、こういうのは一度限りだというふうに解釈した。 しかし実際は違ったのだ。俺には命の恋人がいるけど、それを承知してもらったうえでお前と関係を続ける、という意味

     接吻地獄 - 花房観音  「歌餓鬼抄」
    EurekaEureka
    EurekaEureka 2008/02/25
    "私は、とっくに地獄に堕ちていたのに。"
  •  恋ニ酔ヒ、愛ニ死ス ―「らも 中島らもとの35年」 中島美代子・著 ― - 花房観音  「歌餓鬼抄」

    「中島らもが、死んだ」 平行線のままのどうしようもなく暗い話の最中、ふいに電話の向こうの男がそう言った。 電話の相手は、私が19歳の時に出会った私の初めての男。私はその頃、彼に貸す為に借りたサラ金の返済がどうにもならなくなり、全てが親にバレて実家に戻って罪悪感と自分自身の愚かさと未来の見えなさでグチャグチャになっていた。それでも何とか金を少しでも返して貰えないだろうかと知人を通じて彼に交渉していた。直接話すと私は「負けて」しまうから知人に間に入って貰ったのだ。 知人から連絡が来た彼は逆ギレして私に電話をかけてきた。「返して」「無いものは返せない、それに俺はお前の欲しいものを与えてやってたじゃないか」何十回も繰り返したどうしようもないやりとりにお互いうんざりし疲れてしまい沈黙が訪れた。私は泣き疲れ怒鳴り疲れていた。その沈黙を破り、ふいに彼が中島らもの死を告げたのだ。 彼は一時期、小説家になる

     恋ニ酔ヒ、愛ニ死ス ―「らも 中島らもとの35年」 中島美代子・著 ― - 花房観音  「歌餓鬼抄」
    EurekaEureka
    EurekaEureka 2007/09/01
    "愛で人は狂う。"
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