「結局は才能。」 もちろん、最終的に才能が結果に繋がるのは正しいと思うのだが、いつもモヤモヤさせられる。 努力とは何だろう。 それに近い感情を持った1つの記憶がある。 小学校の低学年、僕は自転車が好きで、広がった世界に興奮して、よく遠出をしていた。 当然、ある日迷子になった。線路沿いの道が工事にはばかられ、勘に頼ったせい。 夕暮れが終わり闇に気付くと泣きだした。 いつもならすぐ親が駆けつけくれるのだが、それはない。 泣いたら誰かの助けが必要だと自覚することになる。誰もいない今、それは絶望を認めるとの同じ。 迷ったと気付いた時から、その理性によって辛うじて耐えていたのに、夜の闇はそれを簡単に破った。 僕は恐怖に負けた。負けを認めて諦めて心が折れた。絶望した。 ただ願うしかなかった。助けてと。 そんな風に振り絞ってだした願いでも、何も変わらなかった。 泣くのをやめてしまえば、願いさえ否定される