ハードディスク駆動装置(HDD)の部品をめぐって価格カルテルを結んでいた疑いがあるとして、公正取引委員会は26日、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で、いずれも東証1部の精密部品大手TDK(東京都港区)とニッパツ(横浜市金沢区)の本社などに立ち入り検査に入った。公取委は国際的なカルテルとみて米当局と連携して調査を進める方針。 カルテルの疑いがあるのは、サスペンションと呼ばれる板ばね状の部品。この部品の先に電子情報を読み書きするチップを取り付け、「磁気ヘッド」が作られる。HDDは、内部で回転する金属板(ディスク)に磁気ヘッドを近づけることで、電子情報のやりとりをする。 業界関係者によると、サスペンション製造の世界シェアは、TDKとニッパツの2社で約9割を占める。年間の市場規模は1千億円超とみられるという。公取委は、2社が遅くとも数年前からサスペンションの販売でカルテルを結び、価格を高止まり